たったひとりの家族
あの子は唯一の家族でした。
だから出来る限り大切にしたし、依存もしていたと思います。
最愛の者がこの腕の中で旅立つというのは計り知れない衝撃でした。
その瞬間、心の中なのか耳の中なのかは不明ですが大きな爆音が鳴り響いたのを覚えています。
「心が壊れたな」と思いました。
実際に一度も涙は出ていません。
心が崩れたことは自覚していますが、あの子への愛情は失いませんでした。
それだけ深く刻まれてるのだと思います。
今もあの頃と同じ愛情を感じるのが何よりの証拠。
当たり前だよね。
オレにとってもあの子にとっても、お互いたったひとりの家族だったから。